葬儀の手帖
神道式
通夜祭・遷霊祭(せんれいさい)
神道では、通夜祭と遷霊祭を同時に行います。神社では行わず、自宅か斎場で行います。
通夜祭は、故人の魂を守護霊にする儀式で、魂を遺体から霊璽(れいじ)に移す儀式を遷霊祭とよびます。霊璽とは仏教で位牌にあたるものです。
まず通夜祭は、入口で手水(ちょうず)の儀を行い、神職者・遺族を黙礼して迎えた後、斎主が祭詞奏上(さいしそうじょう)を行います。そのままの流れで遷霊祭が行われます。
遷霊祭は、遺体から霊璽に留める儀式で、御霊遷(みたまうつ)しともよばれます。斎場の明かりを落とし、暗がりの中で儀式が進み、明かりが点った後、斎主・喪主に続き玉串※を捧げます。最後に喪主が挨拶を行い、式は終わります。
仏教の法式の通夜振る舞いにあたるものを直会といい、参列者へのお礼として振る舞われます。
葬場祭
神道では、葬儀を葬場祭とよび、弔辞の奉納・祭詞奏上・玉串奉奠(たまぐしほうてん)を行います。火葬の前は火葬祭を行い、終りに神職が祭詞奏上し、参列者は玉串を奉り拝礼します。
諡 名(おくりな)
神道では、人は全て神の子で平等であるとされており、諡名は授かるものではなく、亡くなった年齢により予め決められています。霊璽や墓石には故人の氏名の後に諡名を付します。例えば、「東京一郎」さんが60歳で亡くなると、「東京一郎大人命」と付されます。
年 齢 | 男 性 | 女 性 |
---|---|---|
3歳まで | 嬰児命(みどりご) | 嬰児命(みどりご) |
6歳まで | 稚児命(ちご) | 稚児命(ちご) |
15歳まで | 童男命(わらべ) | 童女命(わらめ) |
19歳まで | 彦命(ひこ) | 姫命(ひめ) |
40歳まで | 郎男命(いらつお) | 郎女命(いらつめ) |
70歳まで | 大人命(うし) | 刀自命(とじ) |
70歳以上 | 翁命(おきな) | 媼命(おうな) |